最終更新日 2023年5月12日 by plexus
会社の特定事業を売却することを事業売却と呼びますが、これを実施することにはたくさんのメリットがあります。
経営資源を特定の事業に集めたいと考えている場合や、不採算事業の整理を行いたいと考えているのであれば、実施したほうが良い可能性が高いです。
詳しくメリットを確認しておくことで、これを行うべきかどうか正しく判断することができるようにしておきましょう。
目次
会社の商号を引き続き使用することができる
事業売却を行う場合は、会社の商号を引き続き使用することができるというメリットがあります。
似た言葉に会社売却がありますが、そちらを選択してしまうと会社の商号は買い手側のものになるでしょう。
会社売却を行った側は商号を用いることができなくなり、歴史や愛着ある商号を手放すことになります。
けれども、事業のみを売却する方法を選ぶのであれば商号を使用し続けることが可能です。
愛着のある大切な商号を今後も使用し続けたい場合は、こちらを選ぶべきだと言えます。
売りたい事業だけ売却できる
売りたい事業だけ売却できることも大きな魅力です。
会社売却は全てを売ることになりますが、事業の場合は特定の事業だけを売ることができます。
赤字となっている事業だけを切り離して売却することもできますし、赤字になっていなくても成長率がイマイチのものだけを売ることも可能です。
不要なものを切り離して売ることによって、力を入れたい事業だけに資金を集中させることができます。
手広くビジネスを行うことでリスクを分散することもできますが、成長が期待できないものを残しておいても会社のためになりません。
期待していた成果が得られないものは早めに売却してしまい、本業や成長が見込めそうなものに資金を集中させる戦略を取ることがおすすめだと言えます。
資金だけではなく、労働力も集中させることが可能です。
赤字事業などを抱えたままでは、そちらをどうするべきか頭を悩ませることになり、本業に打ち込む時間が奪われてしまいます。
早めに売却しておくと、力を入れたいビジネスだけに集中できるようになるでしょう。
従業員の雇用を確保しやすい
従業員の雇用を確保しやすいところも利点です。
現在その仕事に従事している従業員ごと引き継ぐケースと、従業員は自社に残すケースの2パターンで売却を行うことができます。
事業だけ切り売りして従業員を残すこともできますし、社員を減らしたい場合は買い手企業に従業員ごと任せることも可能です。
買い手企業との話し合い次第で、一部従業員だけ譲渡したり自社に残留させたりすることもできます。
人件費カットのために社員を減らしたいのであれば、労働力ごと買い取りたい企業を見つけることで、人件費の節約を実現することができるでしょう。
自社の別の部署などで働いてもらう場合も、買い手企業に譲渡する場合も従業員との話し合いは必須です。
あらかじめどのような方針で売却を進めるつもりか従業員にも伝えておくと、スムーズに事業売却を完了させることができるでしょう。
必要な資産を残せる
必要な資産を残せるというメリットもあります。
特に小規模な企業の場合は今手をつけている事業を売却しなければ、新しいビジネスが始められないというケースが多いです。
会社の全てを売ってしまうと何もない状態から再スタートしなければなりませんが、事業売却であれば次の事業に必要な資産を確保しておくことができます。
ゼロから新しいビジネスに取りかかったほうが良いと考える人もいるかもしれませんが、資産確保のためには事業だけを売却する方法がおすすめです。
法人格を残すこともできるので、新しい会社を設立する手間を省いて新ビジネスを始められるというメリットもあります。
事業売却を実施すれば譲渡利益を獲得することが可能
事業売却を実施すれば譲渡利益を獲得することが可能です。
現在の価値と今後の価値を考慮して算出した価額を受け取れるため、現金が必要な場合にもおすすめだと言えます。
購入を希望する企業が将来性があると高く評価してくれると、現在の価値よりも譲渡益のほうが大きくなることがあると知っておくと良いです。
後継者問題に悩むことがなくなる
後継者問題に悩むことがなくなるというメリットもあります。
事業は残したいけれど、引き継いでくれる人がいないというケースは少なくありません。
家族経営の小さな会社などは、後継者問題に悩まされることが多いです。
部分的に売却すれば、思い入れのある事業をなくさずに済みます。
引き継ぐ人が見つからずに事業を縮小することを検討している場合も、この方法を視野に入れてみると良いです。
まとめ
一部事業が上手くいかずに悩んでいる場合、本業に打ち込んだり新しいビジネスを開始したりするために資金がほしい場合、後継者がいない場合などに便利な売却方法だと言えます。
経営に対して問題だと感じる部分や悩んでいる部分がある場合は、事業売却を実施することで解決できる可能性があることを知っておくべきです。
これを行うことにはたくさんのメリットが存在しているので、具体的な特徴を理解した上で実施するかどうか決めることをおすすめします。