理想的な枕の選び方

最終更新日 2023年5月12日 by plexus

▶️理想的な枕はどうやって選ぶの?

枕は古代遺跡からも発見されるほど、古くから人類と深い関わりがあります。
ホテルによっては、シングルの部屋でも好みに合うよう二種類置いてあるほどです。

首の角度を固定し頭を支えることが目的とされており、高さや材質、固さなども様々で好みも人それぞれですが、人間は寝ている間に必ず無意識に寝返りを打ちますから、楽に寝返りを打てるような高さとするのが重要となります。
しかも一晩に打つ寝返りの回数は20回から30回と言われていますから、高さが合わないことは不眠に繋がってもおかしくありません。

1.立っている姿勢を維持する

具体的には、立っている姿勢を維持することがポイントとなります。
人間が立っている時は、首から背骨までのラインはS字を描いていますが、これは全身を支える時の負担を最小限にするためです。

通常の枕は頭を支えることはできるものの、首のカーブ部分に隙間が出来てしまいますから、やや負担となります。
低反発タイプは素材は理想的ですが、首の部分が極端に盛り上がっている形は、やはり負担にしかなりません。

理想的な枕のチェックポイントは、寝返りが打ちやすいこと以外では高さと形状、圧迫感です。
適切な高さは個人差がありますから明確な基準はありませんが、呼吸の状態である程度チェックできます。

仰向けの状態で寝ている際に、高過ぎると気道が狭くなってしまい息苦しくなりますから、後頭部を置く部分はやや窪んでいたほうが自然な姿勢となります。かと言って低すぎると頭部や首に負担が掛かりますから、気道が開いて呼吸しやすいちょうど良い高さを見つけることが大切です。

2.横向きに寝て体に圧迫感が無い高さを見つける

ポリエステルや羽毛素材を詰め込んだタイプや、素材がいっぱいに詰め込まれたタイプは中心部分が盛り上がりますから、理想的とは言えません。
両サイドがやや高くなっていると楽に寝返りを打つことができますが、素材がいっぱいに詰まっていると必然的に両サイドが低くなってしまいます。


出典:安眠枕ランキング

仰向けの状態で確認した後は、横向きに寝て体に圧迫感が無い高さを見つけます。
左右ともに寝返りを打った状態で、肩のあたりが苦しくない状態が理想的な高さとなります。
高過ぎると首が痛くなりますし、低すぎると肩への圧迫感を感じますからすぐにわかります。

形状は、首のカーブに自然とフィットするものが理想的と言えます。
首の部分だけやや高くなっているタイプもありますが、無い場合はタオルを置いて首の負担を和らげる方法もあります。
首の上部だけでなく、肩の上の部分までフィットさせるのが理想的です。

バスタオルを使って家庭で簡単に作ることもできます。
バスタオルを半分に折り曲げ、更に半分に折る際に端を中に折り込むようにします。
中に折り込んだ部分がやや高くなりますから、首元とします。

バスタオル1枚だけでは高さが足りませんから、ちょうど良い高さになるよう2枚か3枚程度使います。
これらのポイントに注意して選択すると、より快眠しやすくなり健康維持にも繋がります。

3.枕は毎日の手入れも重要

人は一晩に約100cc程度の汗をかくと言われていますから、毎日の手入れも重要です。
枕をそのままの状態で使用すると中の素材に直接影響しますから、保護するためにカバーを使います。

カバーが睡眠中の汗や水分を吸い込むため、カバーを取り替えるだけで済みますが、中の素材も少しずつ水分を吸収しますから、定期的な洗濯は必要です。市販品の多くは丸洗いが可能ですから、定期的に洗濯することで清潔に保つことができます。

洗濯をしないまま使い続けると、湿気が溜まりダニが繁殖しやすい環境となってしまうため注意が必要です。
洗濯機で洗った後は、しっかりと太陽の光に当てて乾かします。

このように人間の睡眠とは切っても切れないものですから、「北まくら」や「まくら探し」といった独自の意味を持つ昔ながらの言葉も数多く存在します。
北まくらとは頭を北方に向けて寝ることで、地域によっては人が亡くなった際に北向きに寝かせるため、死を連想することから忌み嫌われている行為です。

一方で運気が上がるという考え方もあり、必ずしも縁起が悪いというわけではありませんが、好んで行われる行為ではありません。

まくら探しは、泥棒のことを指します。
かつては貴重品を隠すために利用されることが多かったため、泥棒の格好の狙い目となっていました。

旅館等に忍び込んだ盗人は積極的に枕を探し盗んだことから、いつしかまくら探しと呼ばれるようになり、特に人が寝ている時に盗みを働く人は邯鄲師と呼ばれます。

「枕を高くして寝る」という言葉は、安心して眠ることができる状況を言います。
これは中国の「史記」に由来する言葉で、兵士たちは夜間も敵の襲撃に備えるため、地面に耳をつけて寝ていました。

戦が無かったり敵が攻め入ってくる心配が無ければ、耳を地面に付ける必要も無いため高くできるという意味です。
日本では、高さのあるものは男性の髷や女性の日本髪を維持するため、徐々に普及したとされています。

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